2009年3月28日土曜日

食べ物と認知症

 中年になると、インスリンホルモンの働きが当然悪くなってきます。その結果として、糖分(キャベツ・玉ねぎ・かぼちゃ・芋や米・麦・果物に多く含まれる)の処理が出来にくくなり、体脂肪・血液脂肪(コレステロール・中性脂肪)が溜まりやすく又血糖値も高くなります。
 この様なインスリン作用不全が、35歳以降のアルツハイマー病発症リスクの増加に関連していると、スェーデンの研究者らが9月30日号の医学研究雑誌に発表しています。
 調査研究に参加した2,322名の人達を32年間追跡調査し、そのうち394名が何らかのタイプの認知症または認知障害と診断されました。
 認知症にならない様にするには、中年以降はなるべく“糖分の多い”食品――ご飯・うどん・そばやキャベツ・玉ねぎ・ジャガイモ・かぼちゃ、果物類――を食べる量を少しでも減らし、インスリン作用が機能不全に陥らない様に心掛ける事です。

2009年3月21日土曜日

コレステロールの中身(質)が問題

 心筋梗塞を発症した患者さんが持っていた危険因子と、健康診断を受診した健常者が持っていた危険因子を比較したところ、心筋梗塞を発症した患者さんでは、危険因子として、男性では善玉コレステロールが低いこと(低HDL-C血症)、高血圧、糖尿病、喫煙が、女性では高血圧、低HDL-C血症、糖尿病、高中性脂肪血症が重要であることが分かりました。一方、悪玉コレステロールが多い状態、すなわち高LDL-C血症は有意な違いとはなりませんでした。さらに、総コレステロール値が高い、高コレステロール血症は重要でないことが分かりました。
 これは、総コレステロールや悪玉コレステロールが多い患者さんでは心筋梗塞を起こす確率はもちろんやや高くなりますが、コレステロールがそう高くない患者さんや、やや低めの患者さんも心筋梗塞を発症し、むしろ後2者の総数が多いことを意味します。また、コレステロールのなかで特に注意すべきなのは善玉コレステロール(HDL-C)が少ない状態(低HDL-C血症)であるということが分かっています。
 低HDL-C血症(低善玉コレステロール)は中性脂肪が高い状態(高中性脂肪血症)で起こりやすく、この状態に高血圧症、糖尿病、さらに肥満(リンゴ型の中心性肥満)が加わると、「死の四重奏」と呼ばれ非常に冠動脈疾の様な心臓疾患が増える状態となります。この「死の四重奏」状態では、超悪玉の小粒子化LDLやレムナントという粒子が増えることが知られています。これにさらに高LDL-C血症(高悪玉コレステロール)が加わると、最悪の状態となるのです。従って、脂質については、総コレステロールではなく、その中身(質)が重要なのです。

“豆乳”と“豆腐”の違い

 どちらも“大豆”から作られています。しかし“豆乳”と“豆腐”には、大きな違いがあるのです。
 “豆腐”は“大豆”を茹でて“乳状”にした物で、乳状にした“豆乳”に“ニガリ”―塩分の一種―を加え、大豆に含まれる“蛋白”だけを固めた物なのです。茹でた“大豆”には“糖分”=“炭水化物”が、100gm中約9.7gmもあり、それから作った“豆乳”には3.1gmの“糖分”が含まれています。一方“豆腐”では1.6gmと“糖分”量が約半分です。また”おから”には13.8gmの糖分が含まれて居ます。
 “糖”の大部分は、体内で“体脂肪”になり“貯蔵カロリー”として貯えられます。
“糖”を“体脂肪”に換えられなくなった時、“糖”のままで“血液中”に残りますが、此の状態が“糖尿病”なのです。“体脂肪”には“内臓脂肪”や“血液脂肪”即ち“中性脂肪”・“コレステロール”があります。
 “メタボ”=“生活習慣病”を予防する為にも、“豆乳”や”おから”は避ける様にしなければなりません。

2009年3月20日金曜日

断 糖 宣 言

 「断糖」とは、読んで字のごとく「糖質の食べ物」を口にしないと云う事ですが、穀類や野菜類・果物の様な食べ物に慣れきってしまっている人にとっては、この様な「糖分」の多い食べ物を「断つ」のは大変な事でしょう。そこで身体の為を考え実行するには、自分の心に「宣言」しましょうと言う意味なのです。
 地球上の生き物はすべて「糖質」を持ってはいますが、魚介類や肉類に含まれる「糖質」の割合は0.5%以下で国の基準では「糖質ゼロ」と規定されています。だから“魚介類”・“肉類”は『タンパク質』食品なのです。一方、“穀物類”や“野菜類”・“果物類”は、主な成分が「糖質」と「繊維質」で、一般的な動物が食べ物として利用できるのは「糖質」のみです。
 私たちの身体では24時間絶えず、食事から取り入れた『タンパク』・『油脂』や身体の中にあるこれらの物を使って、色々な物(細胞など)を作ったり、別のものに作り変えたりなどの仕事(代謝活動)が行われています。これらの仕事をする為には、カロリー=熱が必要です。この熱を生み出す物が、「糖」すなわち『炭水化物』です。仕事をするのに必要な“熱量=カロリー”以上の物が食事から入ってくれば当然余り、余った“熱量=カロリー”は備蓄燃料として「体脂肪」の形で蓄えられます。逆に食事から『炭水化物』の様な“熱量=カロリー”の素が入って来なければ、備蓄してあった燃料である「脂肪」が使われます。
 『タンパク質』と『脂質』から出来ている「魚介類」や「肉類」から色々な身体の組織を作るためには、先ほども述べた様に相当の“熱量=カロリー”を必要とします。したがって、「魚介類」や「肉類」を食べれば、相当のカロリーが使われその為身体が“温まる”のです。この時もし『炭水化物』=『糖質』を一緒に食べなければ、備蓄してある「体脂肪」が燃料=カロリーとして使われます。
 今までお話してきた様に、“穀類”・“野菜類”・“果物”はむしろ“カロリー”を生み出す方で、“魚介類”・“肉類”は“カロリー”を使う方なのです。
 肥満・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病をなくすために、今すぐにでも『断糖』を宣言し実行に移してみませんか。

2009年3月10日火曜日

食事で知能指数=IQを変えられるか

 最近の報告(Crime Times,2000)によると、“食事療法”で犯罪行動の危険因子である“多動症”を治療する事が出来るそうです。“犯罪”や“非行”に大いに関係する、“知能指数”=IQをも改善出来得るのでは無でしょうか ? 二人の研究者が公立学校及び矯正施設の13人と13人の無差別抽出した対象群ついて、ランダム・二重盲検法による調査を行いました。調査結果には、それ以前にヨーロッパの研究チームが英国・スコットランド・ウエールス・ベルギーの小学生に対し行った研究結果も含んでいます。
 ビタミン・ミネラルを服用している子供たちは、両群とも地域性・年令・人種・性別・サプリメントの如何に拘わらず、平均的に知能指数=IQは優れておりその差は殆ど有りませんでした。
 炭水化物の多い“貧しい食事”―ご飯やパン・麺・野菜等―の子供では、“インテリゲンス”=知能“の低さが認められたが、“ビタミン・ミネラル”を補給し血液中の栄養を増やせば“記憶力”の向上が見込める事が調査結果より示されました。然しながら、“正しく栄養”を摂っている子供達に“ビタミン・ミネラル”を補給しても効果がない事も判明したのです。
現代社会では、“生物学的”な事と“希望なし”とが同列に考えられており、“犯罪”や“異常行動”が“生物学的現象”であるとの考え方はないのです。
・ オメガ3脂肪酸は、“破壊的”・“反抗的”な態度・行動と共に、“敵対的”な行動も和らげる事が出来る。
・ “亜鉛”補給は、多くの子供に見られる“多動症”を劇的に改善させる。
Crime Timesの過去の記事で、“栄養豊富”な健康食(高たんぱく・低脂肪・低炭水化物)は犯罪者達の反社会的行動を劇的に矯正出来、“栄養補助剤=サプリメント”で子供の非行を減らし“学習能力”を劇的に向上させられ、“栄養強化食”では“知能指数”の著しい改善が図れると云う重要な報告がなされています。1995年の発刊以来、“犯罪者”や“問題行動者”の平滑態度は“生物学的介入”で変え得る事が示されています。
 “異常行動・態度”が、例え“遺伝的欠陥”によるものであっても変え得るでしょう。
子供達の“常軌を逸した危険行動”が、“解毒作用”の障害による“重金属”の過剰蓄積に端を発している事が研究により示されています。この様な子供達の“鉛”やその他“重金属類”を減らし、“栄養不良”を改善する事により治療する事が出来るでしょう。この様な治療を行っている米国イリノイ州のPfeiffer 治療センターでは、“問題行動・非行・精神病質”の子供達を驚く程の改善効果を上げています。
 生物学者達は、脳機能障害の予防と云う点で著しい進歩を成し遂げています。Streissguth等は“シアトル妊婦・健康”プログラムを策定し、“アルコール依存症妊婦”に対し“教育指導”及び“積極介入”を組み合わせたプログラムを作製しました。介入の結果、中等度から重度のアルコール依存症妊婦4人中3人が、短期間で“アルコール”を止めるか減らす事が出来たのです。“アルコール・薬物”中毒妊婦から“胎児”を守る“プロジェクト”にも参加したが、彼等の努力の結果“矯正不可能な脳障害児”の出生は殆どなくなり、多くは健康で将来ある乳児を出生出来るようになったのです。

2009年3月9日月曜日

”肉食”ダイエットが広がらない訳

 ”炭水化物”を減らす又は食べないと云う”ダイエット”は、最近になり急にマスコミ等で取上げられる様になり、”糖質ゼロ”の飲み物まで登場しましたが、古くは1825年に既にフランスで出版された書物に記載されています。1864年には”超肥満”の英国の棺おけ職人が、耳鼻科医の指導で1年で100kgの減量に成功した結果を書物に出版しています。
 それ以後も色々な学者により、”炭水化物”=”米・野菜・果物”を食べない”減量方”=”ダイエット”が試され実証されているのです。或米国の学者は自分を実験台にし、”エスキモー”の人達の食べ方、即ち”魚と動物”だけを食べる実験を行い、”減量”はもとより全ての検査結果が改善する事を実証したのです。
 ドイツ人医師が40年以上の間に、10,000人の患者を”炭水化物”を取らないで”動物食”のみで治療し高成績を得た結果を1920年代に発表しています。
 では何故この様な素晴らしい”食事”=”ダイエット”が広く行き渡らないのでしょう。それは何れの国でも、産業界(農業・食品業界・製薬業界)を保護する為に、多大の金銭を使い”米・麦・野菜・果物”を食べる様宣伝しているからです。
 ”炭水化物ゼロ”・”タンパク・脂肪”ダイエットを実行すれば、減量だけでなく”癌”など殆ど全ての病気を防ぐ事が出来るのです。