2012年4月14日土曜日

『食欲について』

我々は健康を維持するためには、必要な養分(栄養素)を絶えず摂取して
いかなければなりません。身体を作りそれらが適正に働いてゆくために必要な養分とは、必須蛋白(アミノ酸)と必須脂肪(脂肪酸)の2種類のみであって「糖分」=「でんぷん」は不必要です。この2大栄養素がたっぷりあるのは動物のみで、“米・麦・芋・豆”など畑の物には殆ど含まれていません。だから健康な生活を送る為には、“魚介類・肉類”だけをお腹一杯食べる必要があるのです。ところが世間では“お肉”を満腹になる迄食べると、“肝臓”や“腎臓”に負担が掛かりかえって病気になるなどと云うとんどもない事がまことしやかに“神話”の如く語られています。“魚介類”や“肉類”は正しい食べ方をすれば食べ過ぎることなどありえません。
 生存して行く為に絶対的に必要な「本能」である『食欲』は、蛋白の素である“アミノ酸”と脂肪の素である“脂肪酸”の量により調整されるのです。必須アミノ酸の1つである“トリプトファン”から作られる「セロトニン」と云う信号を小腸および脳にある受容体(センサー=信号機、脳より小腸の方に遥かに多い信号機があります)が受け取ると“赤信号”になりそれ以上一口も食べられなくなります。ところが“糖分”を食べると信号機が狂い一時的に“赤信号”に変わるのですが、ニセ信号の為すぐに“緑信号”になり食欲が狂い食べすぎが起こります。また“糖分”でない“カロリーゼロ”の甘味料でもこれに似た事がおこり食べ過ぎてしまいます。
 “脂肪”の摂取量についても同じことが云えます。“脂肪分”が小腸に入ってくると、コレチストキニンという物質が分泌されますが、このホルモンが必要量分泌されると“むっと”してそれ以上の“脂分”は食べられなくなります。ただし、このホルモンは短時間しか作用せず、これだけだとまた直ぐに食べたくなります。“脂”が“脂肪細胞”に吸収されると、“脂肪細胞”からレプチンと云うホルモンが分泌されるのです。レプチンの働きは長時間に及ぶので満腹感が長続きするのです。レプチンは、肥満ネズミの遺伝子研究により発見されたホルモンです。脂肪細胞より分泌され、視床下部にある受容体に働きかけ強力な食欲抑制やエネルギー消費亢進をもたらします。だから“肥満”の原因は、レプチンの作用不足が重要な役割を果たしていると考えられています。レプチンまたはレプチン受容体が欠損すると、食欲をコントロール出来なくなりその結果肥満になります。色々な研究結果から、飢餓(24時間絶食)または低カロリーダイエットでレプチン産生が低下する事が示されています。
 “ステーキ”に甘いタレをつけ、ご飯と一緒に食べたり、ポテトや人参・コーンを添えて食べる様なことをすれば食べすぎが起こります。“塩”と胡椒で食べる事です。同じ事が、“うな重”・“にぎり寿司”・“ラーメン”などでも起こります。