2012年4月25日水曜日

身体は”電気”で動いている

 我々の身体は、24時間電気で動いているのです。電気を使えば、必ず”熱”が発生します。たとえば、心臓・脳・胃腸・骨格筋などです。心臓や脳が正常に、電気が使われ動いているかを調べるのが、心電図であり脳波なのです。電気を使う事により発生する熱量を一般的にカロリーと呼んでいます。
 運動すればカロリーが消費されるとよく言われますが、寝ている時でも電気は使われており(心臓・脳・胃腸は24時間動いている)、むしろ睡眠中の方が電気が使われているのです。睡眠中に使われている電気量のことを、基礎代謝量(基礎エネルギー量)と云い、1日24時間で使われる量の約7割を占めています。
 さて、ではどの様にして電気が作られるか考えてみましょう。電気を作る(発電する)には、発電材料が必要です。一般的な発電材料としては、水力・火力・原子力などがありますが、我々の身体ではこの様な物は使う事が出来ません。やはり食べる物から得るしかありません。最も簡単に発電材料として使う事ができるのは”ブドウ糖”です。しかし、”ブドウ糖”から発電するのは、あまり効率が良くないのです。”ブドウ糖”を発電材料に加工するには、まず最初に”発酵”しなければなりません。発行が終わった段階から、発電材料として使われるのですが、発電効率が悪くなると”乳酸”に変換され肝臓に移され”ブドウ糖”に換えられるのですが、多くは”乳酸”として残るので、身体は酸性になります。一方、”脂肪”は初期加工なしで直接発電材料として使えるので、非常に効率の良い発電材料なのです。さらに、発電には酸素が絶対必要ですが、身体が酸性になると酸素が取り込まれなくなります(酸素の供給不足)。もし身体が酸性になると、癌が発症し易くなります。”ガン細胞”に充分な酸素を送り込んでやれば、”ガン細胞”は死んでしまいます(ワールブルグ効果)。
 よく”脳”は”ブドウ糖”がなければ働かないと言われますが、その様な事は決してありません。”ブドウ糖”から作られる電気エネルギーで動いているのは、”脳”全体のたった2%だけで、98%は”脂肪”から作られる電気エネルギーで動いているのです。”脳”重量の70%は、”脂”で出来ているのです。”心臓”が使う電気エネルギーも、”脂肪”から作られる電気で動いているのです。
 ”心筋梗塞”・”てんかん”・”うつ病”などは、”糖”=”炭水化物”をやめ”肉食”にすればよくなります。

2012年4月24日火曜日

食後高血糖を抑制する事の重要性

①糖尿病患者においては、動脈硬化性疾患がより早く生じ、重篤化しやすく、予後が悪いことが明らかにされています。糖尿病の罹病期間が長くなると網膜症、腎症、神経障害が現れますが、動脈硬化性疾患は罹病期間や血糖値の高さに比例し重症度が上がるのです。
②ヨーロッパでの調査研究によると、空腹時血糖が正常域近くても、経口ブドウ糖負荷試験後2時間における血糖値が高いほど、虚血性心疾患による死亡が多いことが報告され注目されています。
③これまでは細小血管障害との関連から、空腹時血糖値が重要視されてきましたが、食後血糖値に注目しないと動脈硬化は予防できないという警告がなされたことは非常に重要と考えられます。
④心筋梗塞に関して、フィンランドの調査研究で、もし糖尿病と心筋梗塞既往歴があれば、7年間で約半数が再発するなど、かなり高頻度であることがわかりました。
  実際に心筋梗塞で入院した患者の血糖値を調べてみると、約3割が糖尿病、約3割が境界型糖尿病でした。これまで糖尿病と診断されていない人達の7割近くが、境界型糖尿病であることもわかっています。
 糖尿病、高脂血症や高血圧もないのに心筋梗塞を起こした症例の約半数は境界型糖尿病であることがわかっています。
⑤早朝高血圧という様な一過性の血圧変動が血管内皮障害(血管の内側の壁の障害)を引き起こすと考えられているのと同様に、定常的な高血糖に加えて一過性の血糖値の上下変動による刺激も、血管内皮障害に強く関与すると考えられます。
⑥食後の急激な血糖値上昇を抑制する事の重要性が、最近の研究により指摘されるようになって来ていますが、運動やある種の薬剤だけでは食後の高血糖を抑える事は不可能です。血糖値を上げない様な食事に心がけましょう。

2012年4月23日月曜日

バンティングダイエット

 今から約25年前、はじめて”肉食”を中心とする『肉食ダイエット』をホームページに載せたのですが、その当時は話題になる事もありませんでした。ところが、最初に”清涼飲料水メーカー”が、”糖質”の悪さに気ずき”糖質ゼロ”製品を売り出したのです。その後徐々に”糖質”=”炭水化物”の害に関心がもたれるようになり、現在では”低炭水化物”・”タンパク質”ダイエットが流行のようになって来ています。
 でも低炭水化物・高タンパクダイエットを世界で初めて世に知らしめたのは、1800年代末にイギリス人の棺おけ職人であった”ウイリアム・バンティング”という人物で、現在でもヨーロッパでは『バンティングダイエット』として結構知れ渡っています。このダイエット法を取り入れたのが、有名な「アトキンスダイエット」なのです。
 バンティングは若い頃はスマートで健康だったのですが、中年頃より太り出し仕事にも支障を来たすようになったので、色々な医療機関を受診しダイエットに対するアドバイスをうけ、肉・乳製品を減らし野菜・果物などを中心とした”低カロリーダイエット”に励んだのですが、医師の指示に従えば従うほど肥満がひどくなり、終いには階段を降りるにも後ろ向きでなければ降りられなくなってしまいました。食べる量も減らして頑張ったのですが、終いには数歩歩くと息切れ・動機のため仕事場にも出掛けられなくなってしまったのです。
 ある時ヨーロッパの医学会議に出席し帰国したばかりの医師の診察を受けたのですが、その医師がドイツの学者から聞いたのだが、炭水化物を止め”肉食”にすれば痩せられると云う話であったとアドバイスを受けたのです。そこで彼はその医師の助言を取り入れ、”肉食ダイエット”を実行した所、たちまち体重が減りだし、3ヵ月後には正常体重となり健康を取り戻したのです。そこで彼は自分の経験を論文にまとめ医学雑誌に投稿したのですが、医師でもない素人が言っている事だとして掲載を断られたのです。ならばと云う事で、自費を投じ小冊子を無料で配布したのです。

2012年4月14日土曜日

『食欲について』

我々は健康を維持するためには、必要な養分(栄養素)を絶えず摂取して
いかなければなりません。身体を作りそれらが適正に働いてゆくために必要な養分とは、必須蛋白(アミノ酸)と必須脂肪(脂肪酸)の2種類のみであって「糖分」=「でんぷん」は不必要です。この2大栄養素がたっぷりあるのは動物のみで、“米・麦・芋・豆”など畑の物には殆ど含まれていません。だから健康な生活を送る為には、“魚介類・肉類”だけをお腹一杯食べる必要があるのです。ところが世間では“お肉”を満腹になる迄食べると、“肝臓”や“腎臓”に負担が掛かりかえって病気になるなどと云うとんどもない事がまことしやかに“神話”の如く語られています。“魚介類”や“肉類”は正しい食べ方をすれば食べ過ぎることなどありえません。
 生存して行く為に絶対的に必要な「本能」である『食欲』は、蛋白の素である“アミノ酸”と脂肪の素である“脂肪酸”の量により調整されるのです。必須アミノ酸の1つである“トリプトファン”から作られる「セロトニン」と云う信号を小腸および脳にある受容体(センサー=信号機、脳より小腸の方に遥かに多い信号機があります)が受け取ると“赤信号”になりそれ以上一口も食べられなくなります。ところが“糖分”を食べると信号機が狂い一時的に“赤信号”に変わるのですが、ニセ信号の為すぐに“緑信号”になり食欲が狂い食べすぎが起こります。また“糖分”でない“カロリーゼロ”の甘味料でもこれに似た事がおこり食べ過ぎてしまいます。
 “脂肪”の摂取量についても同じことが云えます。“脂肪分”が小腸に入ってくると、コレチストキニンという物質が分泌されますが、このホルモンが必要量分泌されると“むっと”してそれ以上の“脂分”は食べられなくなります。ただし、このホルモンは短時間しか作用せず、これだけだとまた直ぐに食べたくなります。“脂”が“脂肪細胞”に吸収されると、“脂肪細胞”からレプチンと云うホルモンが分泌されるのです。レプチンの働きは長時間に及ぶので満腹感が長続きするのです。レプチンは、肥満ネズミの遺伝子研究により発見されたホルモンです。脂肪細胞より分泌され、視床下部にある受容体に働きかけ強力な食欲抑制やエネルギー消費亢進をもたらします。だから“肥満”の原因は、レプチンの作用不足が重要な役割を果たしていると考えられています。レプチンまたはレプチン受容体が欠損すると、食欲をコントロール出来なくなりその結果肥満になります。色々な研究結果から、飢餓(24時間絶食)または低カロリーダイエットでレプチン産生が低下する事が示されています。
 “ステーキ”に甘いタレをつけ、ご飯と一緒に食べたり、ポテトや人参・コーンを添えて食べる様なことをすれば食べすぎが起こります。“塩”と胡椒で食べる事です。同じ事が、“うな重”・“にぎり寿司”・“ラーメン”などでも起こります。