2012年4月24日火曜日

食後高血糖を抑制する事の重要性

①糖尿病患者においては、動脈硬化性疾患がより早く生じ、重篤化しやすく、予後が悪いことが明らかにされています。糖尿病の罹病期間が長くなると網膜症、腎症、神経障害が現れますが、動脈硬化性疾患は罹病期間や血糖値の高さに比例し重症度が上がるのです。
②ヨーロッパでの調査研究によると、空腹時血糖が正常域近くても、経口ブドウ糖負荷試験後2時間における血糖値が高いほど、虚血性心疾患による死亡が多いことが報告され注目されています。
③これまでは細小血管障害との関連から、空腹時血糖値が重要視されてきましたが、食後血糖値に注目しないと動脈硬化は予防できないという警告がなされたことは非常に重要と考えられます。
④心筋梗塞に関して、フィンランドの調査研究で、もし糖尿病と心筋梗塞既往歴があれば、7年間で約半数が再発するなど、かなり高頻度であることがわかりました。
  実際に心筋梗塞で入院した患者の血糖値を調べてみると、約3割が糖尿病、約3割が境界型糖尿病でした。これまで糖尿病と診断されていない人達の7割近くが、境界型糖尿病であることもわかっています。
 糖尿病、高脂血症や高血圧もないのに心筋梗塞を起こした症例の約半数は境界型糖尿病であることがわかっています。
⑤早朝高血圧という様な一過性の血圧変動が血管内皮障害(血管の内側の壁の障害)を引き起こすと考えられているのと同様に、定常的な高血糖に加えて一過性の血糖値の上下変動による刺激も、血管内皮障害に強く関与すると考えられます。
⑥食後の急激な血糖値上昇を抑制する事の重要性が、最近の研究により指摘されるようになって来ていますが、運動やある種の薬剤だけでは食後の高血糖を抑える事は不可能です。血糖値を上げない様な食事に心がけましょう。