2009年12月11日金曜日

『コレステロール』の重要性

 『コレステロール』は水に溶けない性質を持っているので、同じく水に溶けない「脂(油)」と共に”脂質”と云われているのです。しかし『コレステロール』は「脂」とは違い、「糖」=「炭水化物」から造られる高分子の「アルコール」なのです。もちろん「脂」からも造られますが。
 世間では『コレステロール』は、”動脈硬化”の「元凶」として「悪者」扱いされていますが”とんでもない”事です。『コレステロール』は、身体の何処かに異変が起きた時”傷”を修復する為に動員されます。
「動脈」に何らかの原因で”傷”が付くと、”傷口”を塞ごうとして「血液中」の色々な物質が集まり”防護壁”を作り、”血管”が細くなる「動脈硬化」が起こりますが、この”防護壁”中の『コレステロール』の割合は僅かな物です。言い換えれば、「動脈硬化」の真の原因は『コレステロール』ではなく、「細菌」や必須アミノ酸である「メチオニン」の代謝産物「ホモシステイン」によるものなのです。
 むしろ『コレステロール』は『脂肪』とともに、身体を保護し活性化させる為の重要な物質なのです。
 ①『コレステロール』は身体を形造る「細胞膜」に適度な”堅さ”と”柔軟性”を持たせる働きがあります。一部の”植物油”を摂りすぎると、その中に含まれる”多価不飽和脂肪酸”が『コレステロール』に取って代わり、細胞膜を弱くするので『ガン』などになり易くなります。”サラダ油”の摂り過ぎには注意しましょう。
 ②『コレステロール』は「ストレス」に対抗したり「ガン」や「心臓病」を予防する『副腎皮質ホルモン』の材料であり、また「女性ホルモン」や「男性ホルモン」の原料にもなります。
 ③『コレステロール』は「骨」や「神経組織」を健康に保つ働きのある「ビタミンD」の前駆物質であり、「インスリン」の産生や「免疫機構」の正常な働きに必要な物質です。
 ④「脂」の消化に絶対必要な『胆汁』の材料として、『コレステロール』は欠かせません。
 ⑤『コレステロール』は「カテキン」などと同様に、『抗酸化剤』としての働きがあります。「老化」を防ぐ作用がある為、年令と共に増える傾向にあります。
 ⑥”気分”を落ち着かせたり、”食欲”や”睡眠”を調整したりする働きのある”脳内神経伝達物質”の『セロトニン』受容体が適正に働くためには『コレステロール』を必要とします。『コレステロール値』が低いと、”攻撃的”・”暴力的”になったり、”うつ”や”自殺”傾向が強くなります。
 ⑦『コレステロール』は、「腸管壁」を健康に保つ重要な働きがあります。
 この様に『コレステロール』・『脂肪』は、”ガン”や”動脈硬化”を防ぐ為には欠かすことの出来ない物なので、誤った、科学的根拠のない『コレステロール』・『脂肪』神話に惑わされない様にしましょう。